真夜中の占い館で散歩
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ガンダム戦記 白のプラトーン (23)



 その頃、アカギはコマンドルームに辿りついていた。
「状況は? 中尉」
 アカギがマッカラムに尋ねるとマッカラムはコーヒーを手渡す。
「どうも」
「敵の動きは無し。無線も通じないから周囲の戦況もわからん」
 今度はコマンドルームにバンザ軍曹が入ってきた。
「ご苦労だった軍曹」
「部下たちは弾薬を補給後、交替で仮眠させます」
「いいよ。そうしてくれ」
「しかし、連中の後退が気になります」
「お前もか。俺も納得がいかん」
 アカギは地形を示す画面を指差した。
「ブッチャー小隊はこの位置で待ち伏せにあった。スパローの話だとカモフラージュシートをかぶったザクが10機は、いたらしい。しかし実際、追撃してきたのはモビルスーツの一個小隊のみ。どう思います? マッカラム中尉」
「おいおい、俺は輸送機のパイロットに過ぎないんだぜ。だがボクシングで言うならジャブかもな」
「様子見って事ですか?」ヘルメットを外したバンザが頭を掻いて言う。
「ああ、そうだと思う。敵はこっちの戦力の把握をしたかったんだ」
「つまり今は連中、作戦を立て直しているってとこですかね。くそっ面白くなってきやがった」
「なあ、連中の攻撃目標だが」
 マッカラムの言葉にアカギとバンザが振り向く。
「本当にこの補給基地かな?」
「どういうことですか? 中尉」
 バンザが訊ねた。
「補給基地は重要さ。しかしここは中隊規模のMSを投入するほどのところかな?」
 マッカラムは壁に貼られた地図の傍にいった。
「オデッサ戦線は、ここ。この基地はここだ。連中がどうやって戦線を突破して現れたのかわからないが目標がわから
ん。だってこの先に重要な戦略拠点はない。かといってオデッサ攻めの補給路を断つ気にしても距離が随分、離れすぎだぜ。何よりもオデッサ周辺のジオン軍は虫の息か撤退してるんだぜ。いまさら……」
「どうもわからんな」
 バンザは腕を組んで地図を見つめる。
「まっ、戦線に異状が起きた可能性もあるがな。すまんな、輸送機パイロットのたわ言だ。忘れてくれ」
「いえ、中尉のいう事にも一理あります。連中の目的がわかれば対処の方法もあるかも。ザク中隊が本当にここを制圧するためだけの戦力ならたった2機の半壊ジムと歩兵だけでは太刀打ちできません。何か弱みを掴まないと」
「少尉、斥候を出します」
「そうしてくれ、軍曹」
 バンザはヘルメットを被り直すとコマンドルームから出て行った。



 冷たくなった外気にグラーフはコートのポケットに手を入れた。
「風ってやつはどうも好きになれん」
  グラーフの目も前ではミデアの周辺で囚われた連邦の兵士たちが膝をつかされていた。その背後では自動小銃を突きつけたジオン兵が見下ろすように立っている。
「本当に連邦のMSは3機しかないのだな?」
「ああ、本当だ。後は工兵を含めた一個中隊しかいない。そのうちの一機は昼間、あんたらに破壊されたし」
 顔に青あざを作った兵士が必死に言う。
「ジオンの女は見なかったか?」
「女? い、いや。基地はいつも女日照りだったし。ましてやジオンの女なんて」
「ミデアに乗っていたはずだが死体も見つからなかった」
「女なんていない」
 ジオンの将校は拳銃を抜くと隣に膝をつかされていた兵士のこめかみに向けて引き金を引いた。
 銃声が響くと糸の切れたマリオネットの様に力なく倒れる連邦軍兵士。
 その横に座らされていた兵士の顔が凍りつく。
「まて! 思い出した!」
「最初から言えばいい。そこに倒れてる男はお前が殺したのも同じだぞ」
 グラーフは無表情でそう言った。
「俺たちがミデアのところに着いた時に、入れ替わりに怪我した乗員を運んでいった。どんな連中なのかは本当に見てないんだ。ただジオンの捕虜がいるっていう話だけは聞いた。そいつが男なのか女のかまでは本当に知らないんだよ!」
 グラーフは、連邦兵士の目を見つめた。
「本当だって!」
 グラーフは少し考えた後、横にいた下士官に耳打ちした。
「了解しました! 中佐!」
 下士官はそう一言、言うと部下達に命令を出し始めた。
「ザク隊! 夜間装備の出撃準備だ!」
 暗闇の中でモノ・アイが点滅しだす。
 緑の闘う"ひとつ目巨人"たちが起動を始めたのだ。


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