真夜中の占い館で散歩
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ガンダム戦記 白のプラトーン (22)



 工兵に誘導され格納庫に向かうアカギのジム。整備やぐらに接地すると工兵のスタン・リーが這い上がった。
 破損部の様子を見た途端、スタンは気難しい顔をする。
「どうだ?」
「うーん……いける気もしますが……なんとか修理してみますよ」
「頼む」
「任せてください」
 アカギはジムのコクピットから離れた。
「少尉!」
 呼び止めるスタンの声にアカギが振り向く。
「実は、ミデアから運び込んだ荷物に拾い物を見つけたんですよ」
「拾い物?」
「後で見てくださいよ。貨物倉庫にあります」
「わかった」
 アカギは軽く手を上げるとモビルスーツ用の整備ベッドからを降りていった。
 一旦状況を把握すべく指揮所へ向かうアカギは、外に座り込むセレナを見つけた。
 あいつ何してる?
 セレナがこの基地に来てからアカギを焦らす事ばかりだったが彼女が気落ちする様子を見るのは初めてだった。
 雪解けの季節が近づいているとはいえまだ夜は寒い。
 アカギはセレナの方へ向かった。
「アカギ……?」
 セレナの肩に防寒ジャンバーが羽織られた。見上げるとアカギが立っている。
「どうした? 元気がないな」
 アカギはセレナの横に座った。 制服に血が付いているのが見えた。
「うん……」
 思いつめたようにうつむくセレナだったが答えなかった。アカギもそれ以上聞く事をしなかった。
「部屋に戻ってろよ。外は危険だし寒いぞ」
 アカギは、そう言うを腰を上げる。
「アカギ」
 呼び止めるように名前を呼ぶとセレナは言った。
「アカギはジオンって嫌い?」
 立ち止まってセレナの顔を見るとその表情は真剣だった。
 アカギはため息をつくと再びセレナの横に座った。
「どうしたんだ?」 アカギは落ち着いた声で尋ねる。
「さっきね……運び込まれた人、ジオンのことを酷い言葉で罵りながら死んだの。私、ジオンで暮らしてたけどあんなに憎まれてるなんて知らなかった」
「ジオン軍にやられたんだからな」
 セレナは抱えていた膝に顔をうずめた。
「俺は、今日、ザクを2機撃破した。ビームライフルでコクピットを直撃だ。きっとビームの熱で死体も残らなかっただろうな」
 セナは顔を上げてアカギを見た。
「つまり俺たちはお互い似たようなことをやってるってことだ。連邦とジオン。どっちもどっちさ。気にするなとは言わないが、お前じゃない別の誰かがやったことだ。お前が背負い込む事はないと思うぜ」
「アカギ……」
「それからおれはジオンは嫌いだが……」
 セレナの表情が哀しげになる。
「連邦も嫌いなんだよ」
「え?」
「俺が好きなのは仲間だけさ」
 不思議そうな顔でセレナはアカギを見つめた。


 目の前をRPG(携帯用の対戦車ロケット弾)を二つも抱えたジュノが通りかかった。ふたりで座っているアカギとセレナを見つけると駆け寄ってきた。
「少尉ーっ!」
 ジュノの声に振り向くアカギとセレナ。
「どうしたんすか? 少尉」
「なんでもない。ジュノ、セレナを部屋に連れてけ。ここは危ない」
「え? りょ、了解です!」
「いいか、必ず連れて行けよ」
「はい!」
 アカギはジュノに念を押すと戦闘指揮所のある建物に向かった。ジュノはそれを見送った後、真顔でセレナに振り向く。
「セレナ、何かあったの?」
「ううん、なんでもない」
「そうか……」
「ジュノは何してるの?」
「え? ああ、ちょっと仲間に弾薬を持っていく途中だったのさ。でも少尉の命令が優先! 行こうか、セレナ」
「でも仕事いいの?」
「いいの、いいの」
 その時、無線の呼び出しアラームが鳴った。
「ちっ! いいときに……」
「え?」
「い、いや、こっちのこと。こちらジュノ。なんだよ!」
 ジュノは半ば怒鳴り声で無線機に返事をした。
『おい! ジュノ。弾薬はまだかよ!』
「うるせえな! ウォーター! もう少し待ってろ!」
『ザク相手に9ミリ弾で立ち向かえってのか!』
「だから、もう少ししたら行くって! 少尉から特別任務を受けたんだよ!」
『特別任務? なんだ、そりゃ?』
 ジュノは話の途中で無線を切った。
「ガサツなやつらでね」
「あたしも手伝うよ、ジュノ」
「え? マジ」
「それ持っていくんでしょ?」
「まあ、そうなんだけど。けど少尉には……」
「アカギには部屋に連れてく途中だったって言えばいいんじゃない?」
「でもなぁ」
「お願い、ひとりでいたくないの」
 そう言って見つめるセレナにジュノは折れた。
「そ、そうだな……うん、そうしよう! じゃ、セレナは、これを持ってよ。見た目より重いから気をつけてね」
 ジュノとセレナのふたりは対モビルスーツ用の携帯ロケット弾を担ぐと城壁に向かった。


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