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真夜中の占い館で散歩
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ガンダム戦記 白のプラトーン ⑲

6、攻防戦

「くそったれ! くそったれめ!」
「おい! そっちを持て! 早くしろ!」
 負傷したスタックスはジムの破損したコクピットから運び出された。
「大丈夫か! 曹長!」
「すみません……やられちまいました、少尉」
「気にするな」
「くっそーぉ! ジオンのくそったれ! 必ず仕返してやる!」
「ああ、仕返しようぜ、スタックス」
 駆け付けた衛生兵が治療に取り掛かった。
「少尉、後は私が」
心配げにスタックスから離れるアカギ
「少尉!」
 呼ぶ声に振り向くとキャノピーの無くなったジムのコクピットから整備兵が呼んでいた。
「こいつ、動きます!」
「お前、基地の中まで動かせるか?」
「多分いけます! やってみまーす!」
 整備兵が大声でそう言った。
「よし! 急いで運び込んで修理にかかれ……いや、まて!」
 何か思いついたアカギは指示を取り消すとコクピットまでよじ登った。
「なんすか? 少尉」
「俺が乗る。お前は出ろ」
「そ、そりゃ構いませんがね……でも少尉は今は指揮を執られたほうがよろしいのでは?」
「指揮は執る。この中でな」
「はあ? 格納庫までって事じゃないんで?」
「これで出る」
「ご、ご冗談でしょ? モニターも無いんですぜ?」
「ビームライフルは使えるだろ」
「でも照準が」
「つべこべいっないで、さっさと出ろよ!」
「りょ、了解!」
 整備兵を追い出すと替わって操縦席に座った。
「さてと……」
 アカギは着けていたフリーハンズマイクのスイッチを入れた。
「こちらアカギだ。そばにマッカラム中尉はいるか?」
『はい! しばらくお待ちを』
 不時着したミデア輸送機のパイロット、マッカラムがマイクに出た。
『マッカラムだ』
「中尉、今から自分はジムで撃って出ます。指揮所での自分の代わりに指示を」
『お、おい! 俺は確かに中尉だがパイロットなんだぜ?』
「中尉のいるその場所は、ささやかながら戦場の状況が把握できます。中尉はそこから兵士たちと俺に周囲の状況を伝えるだけでいい。判断に困るような時には俺が判断してここから命令を出します」
『し、しかし』
「中尉ならやれますよ」
『言ってくれる。ああ! わかったよ! 』
 半ば投げやりな口調で返事が返ってきた。とはいえ、ミデアの強行着陸をやってのけた男だ。ここ一番には適切な判断が下せるだろう。
 アカギはそう思っていた。
「アカギ、ブッチャー1出る!」
 破損したジムが立ち上がっていく。直接見える外の景色にアカギは一瞬、違和感を覚えた。
 歩き出したジムのコクピットに冷たい風が入り込んでくる。 ジムの歩行は問題ない。多少、操縦桿が重い感じがしたが許容範囲だ。アカギは破損したジムだったが闘える可能性が大いに残っている事に感謝した。
「さて、やってみるか」
 アカギのジムはトレーラーに積まれたビームライフルを手に取った。
 前方ではブッチャー1の落したビームスプレーガンを拾い上げたスパローのブッチャー2が必死の応戦を続けていた。
「このぉ!」
 岩場から姿を見せるザクにエネルギー残量関係なくビームを撃ち続ける。捨て身の攻撃だったがザク隊を進ませない為にはこの戦法しかない。一方、勝利を確信しているザク隊の方はビームガンのエネルギーが尽きるのを待っていた。
 双方の思惑が噛み合い、こう着状態を作り出していく。
 しかしそれも長くは続かなかった。ビームのエネルギー残量が尽きたのだ。
「弾切れかよ!」
 スパローは凍りついた。
 その様子を察知したザクたちが姿を120mmマシンガンを構え、ゆっくりと姿を現す。
「やばい……」
 ジムの正面にM-120A1型マシンガンを構えたMS-06ザクⅡが現れる。
 "弾切れ"に気付かれたのだ!
 その銃口はジムのコクピットを狙っている。
 片腕を失いシールドも持てないブッチャー2に逃げ場はなかった。
「ちくしょう!」
 その時だった!  ブッチャー2の横を高出力のビームがすり抜けた。
 ビームは正面のザクのコクピットを貫いた! 爆発はしなかったが、そのまま後方に転がるザク。
 寮機である他の二機のザクは予想外の反撃に慌てた。
「ふん、照準なしでも当たるもんだな」
 銃口の先に立っていたのはアカギの乗るコクピット内部ががむき出しになった"手負い"のRGM-79ジムだった。


 その頃、基地のささやかな防衛線を破ったザクの小隊は破壊されたゲートから内部に侵入していた。
 120?マシンガンが時折、反撃を試みる連邦軍兵士に向かって単発で撃たれる。その度に着弾先には爆発が起きていた。
 ザクは基地内を闊歩していた。装備されたサーチライトが基地のいたるところを照らしていく。まるで何かを探してい
るようだ。
 その時、3機のザクは、何かに気付いたのか一斉に上を向いた。
 ザクのパイロットの眼に飛び込んできたのはビームサーベルを振りかざした連邦の白いモビルスーツだった!
 迎撃の為に慌ててM-120A1型マシンガンを向けたが狙撃は間に合わなかった。
 ジムのビームサーベルがザクの脳天に突き刺さる。メガ粒子の光剣が背中から突き抜けた!
 内部のオイルが熱で蒸発し煙を上げていく。
 別のザクが寮機に襲い掛かっているジムにM-120A1型マシンガンを向けた。それに気付いたアカギはビームサーベルを突き立てたザクを抱えると盾代わりにして突っこんだ。120弾がザクの背中に穴を開けていく。群れの半ばまできた時、18mの巨体が仲間のザクに放り投げられた。自分の仲間をぶつけられたザクはその場に倒れた。
「そらよ!」
 倒れたザクのメインカメラにジムのチタン合金製の拳が叩き込められる! 破壊された装甲の破片と部品が飛び散った。ザクの油圧機器用のオイルがジムのボディにかかった。赤いと白のカラーリングの機体が薄汚れた黒いオイルで染まる。
 生き残ったザクがザクマシンガンで狙いをつけた。
 アカギのジムが無防備に立ち上がったがザクのM-120A1型マシンガンからは弾丸は発射されなかった。弾が切れたのだ。
 マシンガンを捨てたザクは慌てて接近戦用兵器のヒートホークを握る。
 斧型の接近戦用兵器の刃先が赤く光りだす。
 ジムはビームザーベルを無造作に構えた。
 しかし、ザクは仕掛けてはこなかった。戦意を喪失したのだ。
 ジムが間合いを詰めようと進むごと同時に後ずさりしていたザクはバーニヤを噴射して飛び退いた。
「甘いな」
 ジムはビームガンを構えるとジャンプの頂点に達した後、降下していくザクに狙いを定めた。
 照準スコープで狙いをつけたアカギは落ち着いて射撃トリガーを引く。数百メートル先の暗闇で爆発が起きた。
 撃退は終わった。
 基地の損害は酷いと思ったがどういうわけか建物に損害は殆んど見受けられない。
「射撃が下手だったのか……それとも意図的か。気に入らんな」。
 さらにカメラをターンさせて周囲を見ていくとジムの残骸を見つけた。スパローの搭乗していたブッチャー2の機体だ。
「スパロー……」
 コクピットの中でアカギは唇をかみ締めながらジムの残骸に敬礼した。



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