真夜中の占い館で散歩
オリジナル小説の公開です
http://delta66.blog3.fc2.com/

 

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
 

ギャリー・トロット(26)


 スヴァローグが連れ去られた雇い主を追ってから10分が過ぎた頃。
 部屋の中では、不気味な音が鳴り響き始めていた。
 その場に残ったトルートたちはその音を注意深く聞いていた。
「なんの音だろう?」
「発電機がイカれたんじゃないのか?」
「ここまで聞こえるもんか」
 アーチャーは、音の正体を確かめようと壁に近づいた。その時だ!
 壁から誰かが飛び出てきた。
「なんだ!」
 驚いて身を引くアーチャーは、銃口をその誰かに向けた。
「なんだ! おまえ」
 何も返事はなかった。
 そいつは出来の悪い操り人形の様にゆっくりとアーチャーに迫った。その姿は砂利に落としたアイスクリームを人の形にした様だった。
 トルートは危険を感じ、アサルトライフルを構えた。
「アーチャー、伏せろ!」
 5.56㎜弾が容赦なく撃ちこまれた! 不気味な人形は勢いよく吹き飛ばされる。
「トルート。撃つ時は先に言え!」
 頭の横を銃弾がかすめたアーチャーは怒鳴って文句をいった。
「言ったろ。それより何なんだ、こいつ」
 倒れた人形に近づいたトルートは足で蹴飛ばしてみた。
「俺が知るか。博士なら分かるんじゃないのか?」
 だが、アンジェラも見た事はない。あるとしても遊園地のアトラクションでぐらいだろう。
 他の隊員たちも奇妙な"そいつ"を興味深げに眺めていた。
「調べてみるわ」
 アンジェラは倒れた人形を覗きこむ。ペンを近づけ、生き物か機械かを確かめようとした。その時、そいつがいきなり起き上った!
 ゴミの様な細かい物体を飛び散らしてアンジェラに襲いかかった。突然の事にアンジェラは身動きがとれなかった。
 その横からトルートが回し蹴りを浴びせた人形を打倒した! とどめに床に倒れた"そいつ"の頭にナイフを突き立てる。
「大丈夫か?」
 アンジェラを助け起こしたトルートはそう言った。
「ええ、ありがとう……助かったわ」
「何だよ。ほんとうによ!」
 ライフルを構えたアーチャーが吐き捨てるように言った。
「すくなくとも人間じゃないわよ」
 頭を刺されながらも床の上でじたばたと動きまわる"そいつ"をアンジェラが見やった。
 音が大きくなっていく。
「嫌な予感がする」
 そうトルートが呟いた時だ。
 壁から"そいつら"が一斉に姿を現した。


スポンサーサイト
 
 
 
Comment

Comment Form


秘密にする

Trackback

 

 

*Template By-MoMo.ka* Copyright © 2017 真夜中の占い館で散歩, all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。