真夜中の占い館で散歩
オリジナル小説の公開です
http://delta66.blog3.fc2.com/

 

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
 

ギャリー・トロット(24)

 どの位のの時間が経ったのだろう。
 眠りを妨げる者さえいなければさらに眠り続けていたに違いない。
 感覚が元に戻っていくのが分かる。あと、数時間もすれば完全に元に戻るはずだ。
 そうすれば、やりかけの仕事に再び取りかかる事ができる。
 あと少しだ。
 あと少し……


 新たな扉を開けた隊員はトルートとリーパーを先頭に中に入った。
 アサルトライフルのフラッシュライトで中を照らすが範囲は狭い。全容は分からなかった。
「誰か、照明を持ってきてくれ」
 広範囲を照らすライトが持ち込まれスイッチが入れられた。
「嘘だろ」
 照明の当たられた部屋はその姿を現したが、それは乗り込んできた多くの者の予想とは違うものだった。
 古代の遺跡を思わせる装飾や刻まれた文字から想像してたのは、今まで見続けた様な石壁に覆われた室内だったが目の前にあるのは、まるで現代のCICか映画に出てくる宇宙船の内部だ。
 トルートは一瞬、これが誰かのジョークではないかと疑った。
「こいつ、もしかしてコンピューターか?」
 後から入ってきたアーチャーが何かの機器を除きこんでそう言った。
「あまり触らないでよ、兵隊さん」
 アンジェラが強い口調で言う。
「兵隊は辞めた。今はプライベートオペレーターだ」
「傭兵の最近の呼び方?」
「そうさ。悪くないだろ?」
「どうかしら」
 アンジェラは肩を竦める。
「悪くないさ」
 アーチャーは言い聞かせるように呟いた。

 クロフォードは、興奮しながら部屋の中を見て回っていた。
 どうやら彼の希望に大いに沿ったものらしい。
「素晴らしい。素晴らしいじゃないか。さっそく科学部門のスタッフを呼び寄せよう。一部も設備を持ち帰りたいな。何か取り外しのできる機器はないかな?」
 エンジニアでも科学者でもないクロフォードに機器の取り外しは無理だったが、それでも外せそうな部分がないかと探し回った。
「クロフォードさん、未知のテクノロジーです。迂闊に触られてはトラブルの可能性も……」
「分かってる。分かってるさ、ノイマン博士。だが、探さずにはいられないんだよ。わかるだろ?」
 アンジェラは、呆れてため息をついた。
 その時、クロフォードの姿が突然消えた。
「クロフォードさん?」
 何かの冗談?
 アンジェラはそう思って彼のいた筈の場所を覗き込んだ。だが違った。
 床に空いた穴に怯えた表情のクロフォードがいた。そのまま穴の奥に引きずり込まれていく。
「誰か! 助けて!」
 アンジェラは大声で助けを呼んだ。
 その声にトルートを含めたカートドッグスの隊員たちが駆け寄る。
「どうした!」
「クロフォードさんが何かに引きずり込まれたの」
 トルートは穴の中をライトで照らしてみた。穴は深く誰の姿も見えない。
「何に引きずり込まれた?」
「わからない。でも何かが彼の両肩を掴んでいたのが見えた」
 アンジェラの表情も怯えている。多分、本当だろう。
 スヴァローグもライトを照らして中を見た。
「4メートル程下に床らしきものが見える。こいつは通路だな」
 トルートも、もう一度中をのぞいてみた。確かに底が見える。
「誰かロープを持ってこい。俺が降りてみる。後、2人程、一緒に来い」
 スヴァローグは、リーパーとラッシュを選んだ。
 リーパーは待ってましたとばかりにライフルを背中った後、ハンドガンの安全装置を外した。
 対してラッシュはうんざり顔だ。
 部屋の雰囲気は一気に緊迫していた。さっきまでの発見の高揚感はどこにも残っていない。
「トルート、後を頼むぞ。博士の護衛は任せる」
「了解、隊長。用心してください」
 スヴァローグはにやりと笑う。
 誰に言ってる?
 口には出さないが、顔はそう言っていた。
「行くぞ。二人ともついて来い」
 スヴァローグたちは穴の中に降りて行った。



 
スポンサーサイト
 
 
 
Comment

Comment Form


秘密にする

Trackback

 

 

*Template By-MoMo.ka* Copyright © 2017 真夜中の占い館で散歩, all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。