真夜中の占い館で散歩
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人魚姫救出大作戦!(6)

 潜水艦は深海の闇の中を進み続けていた。
「ねえ、まだ着かないのー?」
 退屈になってきたキーラがけだるそうに言う。
「もう少しだエビ。すぐそこの珊瑚を右に曲がれば見えてくるエビ」
 エビ騎士は呑気に言った。
 王様は王様で水槽に浮いたまま昼寝をしてた。
「私も人の事言えた義理じゃないけれども、なんかこの空間、緊張感ないよね……」
 そうこうしてるうちに潜水艦は、目的地に近付いていった。
 薄暗い改訂に城の様な形をした岩がある。幾つかの穴からは僅かに光が漏れていた。
 潜水艦は岩城の前で停止した。
「着きましたよ。魔法使い様に王様」
 居眠りしかけていたキーラはリクライニングシートから跳ね起きた。
「あれが海の魔女の根城ね……うーん、なんか不気味」
「どうしましょう、キーラ様」
 王様は心細そうな声でたずねる。
「とりあえず話し合い。娘さんの行方を聞きだすのよ」
「ではお願いします」
「わかった……いや、それちょっと依存率高くない?」
「私は頼ったら頼り切る主義なので」
「なんて王様。そんなんで国民がついくるわけ?」
「はははは、国民といっても魚介類ばっかですから、脳みそが豆粒くらいな連中ですから統治もなにも……ハッ!」
 横で話を聞いていたエビ騎士が王様を冷ややかな目で見つめている。
「と、とにかく魔法使いの事は魔法使い。お頼みします、キーラ殿!」
「しかたないわね……じゃあ、着替えるからちょっと待ってて」
「着替える? 何に?」
「潜水具よ。水の中じゃ、呼吸できないし」
「魔法使いですよね。魔法でこう、ぱぱっ! と……」
「あのねー魔法がなんでもできる万能のものと思わないでよ。そんな事ができたら彼氏がすぐできるわ……いえ、苦労しないわ」
 王様とエビ騎士は顔を見合わせた。
「わかりました。では、支度、待ってますから」
「悪いわね、じゃあ……」
 キーラは上着を脱いだ。
「悪いわね……じゃあ」
 王様とエビ騎士はその場に居座った。
「悪いわね! じゃああ!」
「あ、お構いなく」
「お構いなくじゃないわよ! 着替えるんだから出てってよ!」
 キーラは二人を潜水艦から叩きだした。


  *  *  *  *


 館の前に放り出された王様は、結局、キーラと一緒に海の魔女の館へ行く事になった。
 潜水具を着たキーラが潜水艦から降りてきた。その姿は分厚い金属の鎧を着こんだ様だ。
「あ、アイアンマンだ」
「違う!」
「もっと、スリムな潜水服ってなかったんですか? あなたヒロインでしょ」
「でも深海だしオモリを仕込んでいないと浮いちゃうんだから仕方ないのよ」
「変なところでリアルなんですね。他はユルい設定なのに」
「そこは突っ込まないで行きましょう」
 3人は扉の前に立った。
「すいませーん」
 館から返事はない。
「すいませーん。海の魔女さーん」
 ノックをしてみたがやはり反応はない。
「留守なんでしょうか?」
「どうかしら」
「キーラさんの魔法でなんとかならないエビ?」
「そうね。ここは私の魔法で……ちょっと離れててね」
 キーラは二人を端に寄せると潜水艦に戻っていった。
「どんな魔法をつかんでしょうカニ……いやエビ」
「キーラ殿のことだ。きっとすごい魔法を使うに違いない」
 しばらくすると潜水艦から声がした。
「二人とも、もうちょっと離れて」
 二人はさらに端に寄った。
「もう少し離れてね。でないと死ぬからね」
 あり得ないキーワードを聞いた二人は慌ててさらに離れた。
「オッケー。じゃあいくわよ」
 潜水艦から魚雷が発射された。
 扉に命中した魚雷は爆発を起こし周辺を吹き飛ばした。
 ものすごい泡と残骸と泥が周囲を覆い隠す。
 その様子を見つめながら王さまは思わずこう言った。

「えっ? 魔法は?」




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