真夜中の占い館で散歩
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ガンダム戦記 白のプラトーン ⑭

 二稿目

 早足で進むアカギを慌てて追いかけるセレナ。
「アカギ怒ってる?」
 アカギの不機嫌さを感じ取ったセレナは横に並ぶと顔をのぞきこんだ。
「もう勝手な事はするな。お前は一応……」
 "捕虜"……そう言いかけた時、アカギはなぜか次の言葉を口にするのに躊躇した。
「一応……そうだな。まあいい」
「ごめんなさい。アカギ」
 素直に謝るセレナにアカギが少し戸惑う。
「それとジュノのした事ってアカギを怒らせたみたいだけど、ジュノは私の為にしてくれたの。だからきっと悪いのは私なんだよ」
 真顔でアカギを見つめながらセレナはそう言った。
 その真剣で正直な態度にアカギは彼女に好感を持つ。同時にアカギは自分に彼女がジオン側であるという感覚がないというのに気がついた。

 それもいいか

 そう思ったアカギは小さくほくそ笑む。
「何が可笑しいの? アカギ」
「いや、別に……それより、さっきの楽しかったか?」
「えっ?」
「楽しかったかって聞いてるんだよ」
「うん。みんな優しかったし、いい人たちね」
 そう、にこりと微笑むセレナにアカギは、怒る気もどこかに失せてしまった。
「じゃあ、もういいよ」
「許してくれるの」
「ああ。そうしておく」
「ほんとに!」
 嬉しそうなセレナに思わずつられてアカギもつい笑顔になる。
「ジュノも?」
「奴は、だめだ」
 アカギの表情が厳しくなる。
「ここにはルールがあるんだ。ジュノはそれを破った。ここで奴を許すとそれを真似する者が出始めて収拾がつかなくなる。だから奴には罰を与える。大目に見るわけにはいかないな」
「そう……」
 アカギの言葉を聞いたセレナの表情が途端に沈む。
 セレナの気持ちはわからないでもないが、ここで部下に甘い顔を見せれば下の連中は必ずナメてきだすだろう。この部隊は、はみ出し者の集まりだ。その傾向は特に強い。力で統制することはアカギも好きなやり方ではなかったがここは締めていかなければいかないところだ。
 幸い有能な軍曹のバンザがいる。処罰のやり方は彼に任せておけば上手くやってくれるはずだった。
「でも、罰は与えるが奴の事が嫌いってわけじゃないんだよ。バンザ軍曹もあいつの事は好きなんだ。だからセレナが思ってる程、酷い事しないから心配するな」
「そうなの?」
「セレナ」
「は、はい?」
「似合ってるな、その連邦の格好」
「そうかしら?」
 セレナは嬉しそうに服を整える仕草をした。
( こいつが、゛中尉"だって? まったくなんて大嘘だ…… )
 アカギはさっきの騒動の事を思い出すと、つい可笑しくて笑わずにはいられなかった。


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