真夜中の占い館で散歩
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ガンダム戦記 白のプラトーン ⑪

4、場違いな客

4稿目


 連邦軍兵士のジュノは、目の前にいるジオン軍の制服を着た少女の姿に焦った。
「な、なにしてる!」
 慌てるジュノとは、対照的にセレナは、落ち着いたものだった。
「アカギにここで待ってろって……」
「え? 少尉に? そ、そうなの?」
 兵士は驚くほど簡単に納得してしまうが、その後、どうしたらよいか分からず、突っ立ったままだ。
 しばらく沈黙が続いた。
「あの……入ったら?」
 セレナが先に切り出した。
「え? ああ、そうか」
 ジュノは、招き入れられた部屋に入るとドアを閉じた。
「アカギに何か用だったの?」
 セレナにそう訊ねられたジュノは、緊張でドギマギ状態だ。なんでジオン兵が上官の部屋にいるのか? しかもしかも彼女は、まるで自分の部屋のようにリラックスしているように見える。それがなおさらジュノの頭を混乱させた。
「お、俺、、少尉に修理を頼まれてたモンを持ってきたんだ。直ったから」
 そう言うジュノの手には小さな部品のようなものが握られていた。
「何?」
 その部品に興味を持ったセレナは訊ねた。
「ビデオゲームなんだ。単純なやつだけど」
「ふーん・・・・・・」
 興味深げにゲーム機を見つめるセレナ。その様子を見たジュノは何を思ったかこう言った。
「な、なあ。これ、やってみるか?」
「え? ほんとに」
 うれしそうな顔を向けるセレナにジュノは相手がジオン公国の人間なのだという事をつい忘れていた。
 迂闊な連邦軍兵士にポータブルゲーム機の操作方法を簡単に教わるとセレナは、すぐゲームを始めだした。
 しばらくボタンの操作に苦労していたが5分も経つころには、セレナはすっかりゲームに夢中になっていた。
「ああ! また失敗、なかなか上手くいかないや」
「初めてだからしたかたがないよ。ジオンにはねーのか? こーゆーの」
「あるかも・・・でも私はやったことがなかったよ」
「ふーん……」
 画面にゲームオーバーの文字がでた。
「終わっちゃった」
 残念そうにポータブルゲーム機を膝の上に置くセレナ。
「アカギもこれで遊ぶの?」
「さあ、ずっと壊れてたみたいだから……どうなのかな? 元々弟さんの物だって言ってたし」
「弟さん?」
 セレナは机の上の本に目をやった。中のしおり代わりにしてあった写真の事を思い出す。
「弟さんに返してあげるつもりなのかな?」
「いや、それはないね。少尉の弟は、妹と一緒に"コロニー落とし"に巻き込まれてんだ。もう亡くなってるよ」
「コロニー落とし……」
 戦争初期、ジオンは連邦軍中枢である総司令部"ジャブロー"を壊滅させようとある作戦を実行した。
 その名は"ブリティッシュ作戦"。
 スペースコロニーを弾頭代わりにして地球に落下させたのだ。目標は"ジャブロー"。しかし降下したスペースコロニーは連邦宇宙艦隊の必死の攻撃によりその進路を変え北米の大都市に落ちてしまう。コロニーが墜落した都市は一瞬で廃墟と化し数百万人の命が奪われた。通称"コロニー落とし"である。
 連邦は勝つためには手段を選ばないジオンの戦略に恐怖した。
「そう……アカギの兄弟って亡くなってるんだ」
「そういえば、なんで少尉は今頃、修理するって気になったのかな?」
 ジョノはそう言ってセレナの横に座った。
「これ、アカギの弟の形見なんだね」
 セレナは、そう言うとゲーム機をジュノに返した。
「ありがとう。楽しかった」
「あ? ああ」
 ポータブルゲーム機を受け取ったジュノはしばらく考え込んだあと急に切り出した。
「そうだ! 俺と勝負してみねーか」
 セレナはジュノの提案に目を丸くした。
「勝負? これで?」
「それだと二人ではできないんだけど休憩室に行けばもう少しオモシレーやつが置いてあるぜ。なあ、いこうぜ」
 手招きするジュノ。
「う、うん」
 セレナは戸惑いながら頷いた。
「でもその格好はまずいな。ジオンだし……そうだ! ちょっと待ってろ」
 そう言うとジュノは部屋から出て行った。しばらくすると何かを抱えて戻ってきた。
「これ、着ろよ」
 ジュノがセレナに渡したのは連邦軍の女性士官用の制服だった。
「これ、連邦の?」
「第501補給基地に手に入らない物はねえんだ。さっ着てみてよ。あっ! 俺は部屋から出てるから着替えたら呼べよ」
 そう言うとジュノは部屋から出た後、セレナは渡された連邦軍の制服を見つめた。




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