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真夜中の占い館で散歩
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ガンダム戦記 白のプラトーン ⑨

 5稿目

 倉庫に閉じ込められた連邦軍情報部のギムリ少佐は物資の箱を物色していた。
 何か脱出の道具になるものか探していたのだ。
「くそっ! 何か残しておけってんだよ」
 ギムリは、苛立ち紛れに空き箱を蹴飛ばす。
 空き缶がドアにぶつかると同時にの鍵が開く音がした。
 ドアが開くとバンザとアカギが立っていた。
「おいおい、ずいぶん散かしたな」
 仁王立ちしているバンザがギムリをにらみつける。焦るギムリは後ずさりする。
 実のところギムリはこの軍曹に苦手意識を持っていた。
「おい、お前」
 アカギがバンザの前に出た。
 こいつも気に入らない。
 ギムリは思った。
「知ってることを全部話してもらおうか」
「私は君より階級が上だぞ! 早くこの無礼な状況を改善したまえ!」
「そいつは、あんたのスパイ容疑が晴れてからだ。本当に少佐なのかもわからんしな」
「司令部に照会すればいい」
「生憎、数時間前からミノフスキー粒子が濃くなってね。現在、司令部との交信は不可能だ」
「そんな出来過ぎの嘘をつくな。私を勾留する方便だろう」
 ギムリはアカギの話を信用してないようだった。
「いや、本当のことさ。この事は俺たちも不審に思っているんだ。あんた、何か知ってないか?」
「何?」
「ミノフの異常増加はミデアが接近するとほぼ同時。気になった俺が索敵に出た途端、あんたらの乗ったミデアと遭遇さ。いいタイミングだと思わないか?」
「連邦軍機を見つけたんだ。ミノフスキー粒子の散布は当然の戦術だろ」
「ここは連邦軍勢力下なんだ。机上の作戦しかしらんあんたらのような人間にはわからんだろうが、ドップがたった二機で侵入してくるのは決死隊ってことだ。その目的がミデアの追跡だけの為にか? 不自然だね」
 そう言ってアカギは肩を竦めた。
「あのミデアには何があるんだろ? 少佐殿」
「それが軍の作戦というものさ」
「俺たちは自分の身を守りたい。知りもしない事情で危険をさらすのはやだね」
 ギムリは考え込んだ。
 この少尉は少し生意気で反抗的ではあるが頭は回るようだ。上手く利用できればいい駒になるかもしれない。
「協力してくれるなら状況を話すよ。少尉」
 アカギとバンザは顔を見合わせた。バンザは軽く相槌をうった。いい駆け引きだ。アカギもそれに頷いた。
「確約はできない。内容による」




 その頃、部屋に待たされていたセレナは退屈そうに部屋を見渡した。
 無作法ではあるが部屋の中を散策。小さな冒険だ。
 積み上げられた箱の中にはアルコールや煙草。如何わしい雑誌が入っていた。机の上には何冊か本が置かれていた。読んだ事はないが哲学書の類だ。あの少尉は意外とインテリなのかもしれない。
 本をとってめくってみる。
 その時、しおり代わりに使っていた何かが落ちた。セレナはそれを拾い上げた。

 写真?

 そこに写っていたのはアカギを真ん中に両側に小さな子供たちだった。左は男の子で右が女の子。よく見ると目元がアカギに似ている。恐らく兄弟だろう。
 そしてセレナが意外に感じたのはアカギの表情だった。今まで接していた限り、無表情の印象が強かったアカギが写真の中の彼は満面の笑みだった。

 本当はこんな笑顔のできる人なんだ……

 その時、背後から物音がした!
 慌ててセレナは写真を本に挟むと机に戻した。
「少尉、いますかぁ?」
 部屋の中に入って来たのは若い連邦の兵士だった。東洋系のような顔立ちで背は高く人の良さそうな顔つきだ。
「少尉? 」
 部屋を見渡していた兵士は、中にいたセレナと目が合った。
「ジ、ジ、ジオンが!」
 ジオンの軍服を見て慌てる兵士にセレナは気まずそうに微笑んだ。


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