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真夜中の占い館で散歩
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ガンダム戦記 白のプラトーン ⑧

 四稿目



 連邦軍第501補給基地では異変の兆候を感じ取り始めていた。
「おかしな通信が飛び交ってるんです」
 通信兵は、そう切り出した。
「おかしな?」
 通信室に連れてこられたアカギは神妙な顔つきの通信兵の言葉に耳を傾けた。
「ええ、信号だったり、意味のわからない言葉だったり、とにかく色々です」
「今もでか?」
「いえ。でも録音してあります」
「聞かせてくれ」
 通信兵は音源を再生させた。
 しばらくそれを聞いていたアカギだったが次第に顔が険しくなっていく。
「暗号だな」
 アカギのその言葉を聞いたバンザも顔つきが変わる。
「暗号? 敵ですか?」
「かもな。数時間前からのミノフの濃さもだが、ミデアを襲ったドップ。どうも気になる」
「ジオンがミノフスキー粒子を散布してるってんですか? けど、このあたりのジオンはとっくに撤退をしたはずでしょ? 残存戦力は宇宙かアフリカに逃げたって聞いてますよ」
 通信兵が不安げな顔でそう言った。
「掃討作戦を展開中の部隊もこの近くをうろついてるって話も入ってきてます。少しキナ臭いですな」
「新しい戦略的移動があったのかもしれん。が、確認しようにも。この濃いミノフスキー粒子のせいで司令部とは連絡はつかない」
「索敵しますか?」
 言うが早いか、バンザが地図を広げた。アカギはバンザのこういうところが気に入っている。
「ああ、適当な連中をみつくろって……そうだな。こことここ。それとこの辺りに様子を見に行かせろ」
 アカギは地図上の数箇所を指差して指示した。
「了解」
「それから、あの情報部だとかいう"クソったれ"だが」
「そのクソったれですが、空き倉庫に放り込んでおきました」
「倉庫には暖房も無いな」
「特別待遇です」
 バンサがそう言ってニヤリと笑う。
「では感想を聞きにいこうか」
「尋問ですか?」
「急激なミノフスキー粒子量の増加とミデアの墜落。単なる偶然かな」
「関連があるって事ですか?」
「ミデアのパイロットの話では二機のドップは威嚇に終始していたそうだ。俺がドップのパイロットだったら獲物を見つけてそんなマヌケなことはしないぞ。あれはパイロットの気まぐれでは、なく何かの作戦を遂行中でそれがまだ継続中としたら?」
「嫌な感じです」
 バンザの表情がさらに険しくなる
「おい、通信を聞き逃すなよ。何か変な言葉が飛び交ったらすぐ知らせろ」
 そういってアカギは通信兵の肩を叩いた。
「りょ、了解です」
 通信兵はヘッドフォンを付けると再び周波数の操作を始めた。
 アカギとバンザは通信室から出た。
「まったく、すっきりしないことが続く。気に入らんな」
 アカギは頭を掻きながらそう呟いた。
「差し出がましいようですが少尉」
「なんだ? バンザ軍曹」
「あのジオンの女」
「ああ、かわいいだろ。セレナっていうんだ」
「はあ? いや、それはそれでいいんですがね。それより大丈夫ですか? 彼女スパイかも」
「ジオンにスパイされてもここには連中が喜ぶ程、大した情報はないぞ」
 アカギは、そう言ってにやりと笑う。
「それよりも連邦にスパイされると困ることがあるはずだろ? この基地の場合」
「まあ、そうですがね」
 肩をすくめるバンザ。
「それに、"あんなスパイ"は、いない」
 そう言い切るアカギにバンザは少し驚いた。
「なぜそう言えるんです? 何か根拠が?」
「根拠? そんなもんはないね。こいつは"勘"ってやつだ」
 その言葉を聞いたバンザは眉をひそめた。
「勘……ですか?」
 バンザはこの上官のことは気に入っていたが、たまに彼の性格が掴み切れない時がある。
 今がその時だった。


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