真夜中の占い館で散歩
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ガンダム戦記 白のプラトーン ⑥

 4稿目


 セレナ・パマスはアカギの部屋に連れていかれた。
 小ぎれいに片付けられた部屋だったがどこか殺風景だ。
「座れよ」
 そう言われセレナは古ぼけた木製の椅子に座る。
 椅子に座らせてしばらくするとアカギはコーヒーを入れてきた。
「飲めよ。少し温まるぞ」
 セレナはカップを受け取ると両手で包み込むようにそれを持った。
「ありがとう」
 カップは温かかった。温かさが手から体に広がってくる様だ。
「どこかに怪我は?」
「いいえ、大丈夫だと思う。ただ、すごくドキドキした」
「生きてる証拠さ」
 アカギは自分の分をカップに注いだ。
「さて、ジオンのお嬢さん。質問させてもらうぞ? お前は何者だ?」
「私はセレナ・パマス」
「そいつはもう聞いたし俺が聞きたのは名前じゃない。お前の所属とか、今まで何をしてたか、だよ」
「所属?」
「部隊名とか部署とか……そんなもんだ」
 セレナは何かを思い出すように俯いた後、答えた。
「どこにも所属はしてません。普通に生活していただけです」
「普通? 世界の半分は死んでるんだよ。そんな時に普通に生活するにするって方が"普通"のことじゃないんだぜ。わかるか?」
 アカギの言葉に心細そうな目を向けるセレナ。そんなセレナの視線にアカギは目をそらした。
「わかった。もういいよ」
 アカギはため息をつくと自分の分のコーヒーカップを持った。
「悪いが、しばらくここに軟禁させてもらう。酷い扱いなんていうなよ。"南極条約"には、従っているし、独房や別の個室に置いておくと、お前の"身"が危ないんだからな」
 セレナはにこりと微笑んだ。
「酷いだなんてそんな……だってアカギさんには感謝しています。さっきも助けてくれたし」
 いつの間にか聞き覚えたのかセレナはアカギの名を言うと礼を言った。
「さっきの事か?」
 セレナは頷く。
「まあ、"あんなヤツ"が嫌いだというのもあるが、ヨソ者を押さえる理由が欲しかっただけだよ」
 アカギはコーヒーカップを片手にデスクに寄りかかった。
「俺は、お前が思うほど、"お人良し"じゃない。何しろここは"普通"の連邦とは少し違うからな」
「それでも嬉しいです」
 そう言って笑顔を見せるセレナにアカギは相手がジオンだという事を一瞬忘れそうになっていた。
 セレナの方も相手が連邦軍だという感覚がないのかもしれなかった。
「まあいいさ。そのうちジオン返してやる」
「私、ジオンに帰りたくない」
 セレナは口調を強くして言い切った。
 それに少し驚きながらアカギはセレナを見ると彼女の表情は沈んでいる。
「亡命希望者なのか?」
「亡命じゃないけど……ジオンも……ジオンも連邦も関係ない所に行きたいんです」
 そう言うセレナの表情はどこか思いつめた感じだった。
 何かあるんだろうが……
 そう思ってコーヒーをすすりながらセレナの様子を観察するアカギ。
 彼は迷っていた。
 このセレナ。パマスが゛副業゛に障害になる要因なのかならないのか。
 地元組織への副業とは物資の横流しである。
 その時、ノックが聞こえた。
「誰だ?」
「バンザです。ちょっとお話が」
 太い声が響く。
「入れ」
「失礼します」
 大柄な男が中に入って来た。バンザは椅子に座りリラックスしてコーヒーを飲むセレナを見つけると唖然とした。その様子があまりにも敵軍の捕虜の雰囲気ではなかったからだ。
「用はなんだ? 軍曹」
 唖然とするバンザを急かすアカギ。
「は、はい。ちょっと通信室に来てもらえますか」
「何があった?」
「少し気になる事があるんです」


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