真夜中の占い館で散歩
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ギャリー・トロット⑮

 20XX年7月4日PM24:40 カナダ・デヴォン島のオペレーションルーム 

 この世界最大の無人島には欧州最大の複合企業レプラコーンの実験施設があった。
 施設には警備要員を含めて600名の人間がいたが、電力は人数分以上の使用量だった。
 その電力はカナダからの供給ではなく施設での自家発電で補っていた。しかしその電力を賄う重油は運び込まれていない。
 代わりにあるのは一隻の船。
 旧ソ連崩壊により維持できなくなった巨大なアクラ級原子力潜水艦だ。
 冷戦当時、西側からはコードネームはタイフーン級と呼ばれたこの艦はスクラップとして買い取られ幾つかの国を書類上だけで渡り歩いた。所有権をレプラコーンが手に入れた時は、元軍事兵器などという経歴は、きれいに消えていた。実際のところ必要としたのは軍事目的ではなくアクラ級の動力である原子炉だった。
 燃料である核物質の半減期はあと2、3年だったが同じ規模の電力を得る為の施設を建設するよりずっと安く済む。当然、それはカナダから電力を買うよりも経済的だった。

「ナイトワールドからの救援要請です」
 プロジェクトの責任者であるレプラコーンの重役にアダム・クロフォードは判断を迫られていた。
 民間軍事会社ブラック・リバーからのアドバイザーとして立ち会っているリチャード・パイクは、援軍を送り込む事を進言した。
「5分で準備できます」
 パイクは、容易にそう言った。彼に言わせると状況は想定内だという。
 クロフォードは、彼らに任せる事にした。
 


 同時刻
 ナイト・ワールド 未確認の遺跡内


「下がれ! 下がれ!」
 ベアとスティールは狭い遺跡の通路を射撃をしながら後退を続けていた。
 弾丸を撃ち尽くしたベアはM249を空の投げ捨てた後、今度は携帯していたコルトM500を抜いた。
「喰らえ!」
 ハンティング用の50口径弾は、象をも倒す。怪物を相手にするにはピッタリだ。
 コルトM500の引き金が引かれ、反動でベアの手首が跳ね上がる。
 50口径の弾丸の命中した怪物が甲高い叫び声をあげ倒れた! 

 こいつは最高だ!

 ベアがそう思ったのは一瞬だけだった。すぐに次のクー・シーが迫る。
 再び50口径弾がクー・シーを吹き飛ばした。
 コルトM500は、アサルトライフルより強力だったが装填数が5発しかないので撃つ尽くすのはあっという間だった。
「銃をくれ!」
 ベアは、弾丸が残り一発になったところで、そう言った。
「ほら、使え!」
 スティールは肩にかけてあったリトルビーのG36Cを外すとベアに向かって放り投げる。ベアはそれを受け取ると器用にM500と切り替えた。
「装填!」
 銃がベアの手に渡るのを見届けるとスティールが大声でそう言った。
 ベアは前にでてマガジンを交換するスティールをカバーしながら射撃を開始した。
 そこへ、上から支援に来たリーパーが射撃に加わる。
「トラップがある! 合図したら走れ」
 オフにしたレーザー感知装置を取り付けた爆弾のある場所まであと数メートルだった。
 怪物が直前に来たら装置を作動させる予定だった。
 しかし、クー・シーたちの進行は思いのほか早く逃げる間が無くなりそうだ。
「ここだ! 行け! 行け!」
 リーパーの合図で全員射撃を止め階段へ向かって走りだした。
 距離を見極めたリーパーは、トラップのスイッチを入れた。
 クー・シーにはトラップがレーザーの光を遮ると爆発するのだとは知るはずもなかった。ただ目の前の敵めがけて飛びかかる事だけしか考えていない。
 そして怪物の身体が罠に連動するレーザーを遮った。
 次の瞬間、石壁で覆われた通路が爆音と共に吹き飛んだ!



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