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真夜中の占い館で散歩
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月夜の晩に君と踊ろう⑤

無題2ガウス
背景画像を「月とサカナ」様よりお借りしました。


5、王様と姫様と私(4稿目)


「うちの兵隊を救ってくれて感謝する」

 兵士を救ったキーラは、礼の為に城に連れて行かれていた。
 謁見室に招かれ王様の前に立ったキーラは照れくさそうに頭を掻いた。
「別に大したことじゃないですよ。えへへ」
「いや、身の危険をかえりみずあの怪物ライカンの前に立った勇気には感服するばかり。皆の者! 拍手!」
 王様の合図でその場にいた家臣たちが一斉に手を叩き始めた。
 でもちょっとわざとらしい。
「そ、そうですかぁ?」
 そんなわざとらしい拍手にも照れくさそうに愛想笑いをするキーラだった。
「……ところで、そなた、不思議な技を使うそうだな」
 王様が話しを始めると拍手がピタリと止まった。
「不思議って……まあ、たしかに変わってるかもしれないけど。我が家に代々伝わる技でして」
「その腕を見込んで頼みがあるのだが、どうだろう?」
「頼み?」
 突然の申し出に小首をかしげるキーラ。
「姫をここに」
 王様の合図で衛兵がドアを開くと美しい少女が現われた。
 雪のように白い肌にキーラは思わずどこの化粧水を使っているのか聞こうとしてしまったくらいだ。
 少女はゆっくりと絨毯の上を進むと王様の横に立った。
「一人娘のジュエールだ。そなたが立ち向かったライカンは、実はこの姫を狙っておるのだ。今回は撃退したものの、いつまた襲撃があるやもしれん。そこでキーラ殿、そなたに姫の警護を頼みたいのだ」
 王様の横にいた姫様はキーラを見ると軽く会釈した。
「でもなあ……あたし買い物に来ただけだしぃーっ」
「どんな条件でも飲もうじゃないか。何でも言うがいい」
 その言葉にキーラの眼が輝く。
「え? どんな事でもいいの?」



 夜になった――

 結局、ブランド品のお土産を条件に警護を承諾したキーラはお姫さまの部屋についていった。
「きゃー! 素敵!」
 キーラは部屋の中を見渡してそう言った。高級そうな飾りや小物が沢山置いてある。
「そうですか?」
 姫様は大したことはなさそうに答えるとベッドの上に腰掛けた。
「あなた剣士?」
「あん? 違う違う」
 キーラは手を横に振って否定した。
「あの剣法、本当は、ダイエットの為に習っただけ。本業はこっち」
 そう言ってキーラは指をくるくる回した。
「あっ……」
 ジュエールはキーラの指先を見て驚いた。
 指先の周りに霧のようなものが現われ何かを形作った。時々光が反射して小さな光点が点滅している。そしてそれは小さなバラの形になっていった。
 ジュエールはキーラの指先で行われる小さなショーに見とれる。
「わあぁ……」
 子供の様に目を輝かせるジュエール。
 キーラが手を下ろすと水蒸気で、できたバラの花がパッと四散した。
「すごーい! すごーい!」
 キーラは、まるでショーを終えた大道芸人かの様に手を広げて大きく会釈した。
「あなた、魔法使い?」
 キーラは、それに肩をすくめて答えた。
「魔法使いね! ふふふ、魔法使いが私の護衛。素敵!」
 謁見の間からここまで綺麗だがツンとしていた印象だったジュエールだが、今は小さな子供のように目を輝かせている。
「ねえ、キーラ様。私に魔法を教えて下さらない?」
 突然の申し出にキーラは唖然とする。
「はあ?」
「いいでしょ? お姉さま」
「お、お姉さまぁ?」
 その言葉はさらにキーラの唖然とさせた。
「今日から私はあなたの弟子です。呼び捨てする訳にはまいりません」
「だったら先生とか師匠とかじゃん。あっマスターでもいいわね」
「でも、キーラさんって私と歳も近そうだし先生や師匠じゃ、おかしい気がして」
 言われてみれば師匠という柄でもなく、先生と呼ばれるのも照れくさい。
「す、好きに呼びなよ」
 キーラは照れながらそう言った。
「じゃあ、魔法を教えてくださるのね」
「あっ……そ、それは……その」
 成り行きにまかされっぱなしのキーラであった。



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