真夜中の占い館で散歩
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月夜の晩に君と踊ろう④

4、余計な事に口をだす
(5稿目)

 騒ぎの場所は惨劇と化していた。
 巨大な爪が兵士の背中を切り裂いく!
「大丈夫か」
 叫びを上げて倒れた兵士を別の兵士が助け起こした。
「俺たちの装備では奴は倒せない」
 力なくそう言う兵士。
 他の兵士たちは巨大な爪の主を取り囲んでいた。
「お、おのれ」
 剣を構える兵士たちの前に立ち塞がるのは全身を茶色い毛に覆われた二本足の獣だった。牙をむき出しにして目は、血走り、怒りに満ちている。
「この、ライカンスロープめ!」
 ライカンスロープは、切りかかった兵士たちを容易くつかむと、いとも簡単に殴り飛ばしていった。次々と数メートル先の壁にたたきつけられていく兵士たち。
 狼の化け物ライカンは牙をむき出し生き残った兵士たちを睨みつけた。
 さっきまで取り囲んでいたはずの兵士たちは、戦力の減少で、いつの間にか一ヶ所に集まってライカンの攻撃に備えていた。
 後ろは壁だ。たった一匹に追い詰めれていた兵士たちは震えながら剣を構える。
「く、くるな! ライカンめ!」
 そんな言葉を無視してライカンは兵士達に飛びかかる!
 その時、ライカンの前を弓形型の剣が回転しながら飛んできた。
「ガウ?」
 とっさに身を引いたライカンは剣が飛んできた方向を睨みつけるた
 兵士たちが振り向くとそこにいたのは空色の髪をした蒼い服の少女だった。
 それは駆けつけたキーラだ
「はい! "おイタ"はそこまでよ」
 キーラは剣につなげてあった紐をひぱった。
 剣は突き刺さった地面から抜けると再びライカンの身体をかすめた。身をかがめて奇妙な剣を避けたライカンは唸り声てキーラを睨みつけた。
 宙を舞い戻ってきた剣を掴んだキーラは、独特な構えをとるとライカンを指差した。
「来なよ、ワンちゃん」
 人差し指を「おいでおいで」とするキーラ。
 怒り狂い飛びかかるライカン。
 突進してくるライカンを軽々と避けたキーラは振り向き様に怪物ライカンの腕を切った!
 傷口から鮮血が飛び散る! ライカンは痛みと怒りで恐ろしい雄叫びを上げた!
 その時、道の先から大勢の声がした。どうやら兵士たちの仲間らしい。
「いたぞ! ライカンだ!」
「こっちだ! 急げ!」
 襲われた兵士たちの仲間が助けに駆けつけたのだ。
 それに気がついたライカンはキーラに反撃するのを諦め、屋根い飛び上がって逃げた。
「待ちなさい!」
 逃げるライカンの後を追おうとしたキーラだったが周りを応援に来た兵士に取り囲まれてしまう。
「ちょっと、ちょっと……!」
 剣先がキーラの鼻先に突きつけられる。
「武器を捨てろ!」
「追うのはあっちでしょ?」
 怪物ライカンスロープの飛び去った方向を指差して抗議するキーラだったが兵士たちは無視して剣を向けた。
「ま、まて! その人は違う!」
 足を引きずった血まみれの兵士が取り囲む兵士たちの中に割って入った。
「その人は俺たちをライカンから助けてくれたんだ。敵じゃない。武器を下げろ!」
 それを聞いた兵士達は顔を見合せた後、剣がゆっくりと下げられていく。
 ようやく誤解は解けたようだった。


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