真夜中の占い館で散歩
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月夜の晩に君と踊ろう③

3、再会
(5稿目)

「こんなところで何してるのよ」
「ちょっと買い物にね。あんたの方は? クリスタル」
「うん、仕事でね。臨時に店を開いたんだ。すぐそこだから寄ってく?」
 そい言ってクリスタルはキーラの手をひっぱった。
「ちょ、ちょっと、そんなにひっぱらなくても」
 二人は細い路地に入っていった。人気の無いところに怪しい看板が出ている。髑髏に蛇が巻きついたプレートを付けたその看板は如何わしさ満載だ。絶対、良くない物が売ってるに違いない。
「わーっ、これ見て。すっげー趣味悪っ」
「……ごめん、これがあたしの店」
「えっ!」
 クリスタルから、さっきまでの明るい笑顔は消えていた。しかも心なしか涙目。
「い、いや……よく見るとセンスがあるデザイン。これってモッズ系?」
「無理しなくていいよ。どうせ、趣味悪いもん……ぶつぶつ」
 文句を言いながらクリスタルが鍵を開け中に入るとずらりと怪しい品物が並んでいた。どうみても看板どおりの品物ばかり。
「わーっ! すごい妖気ね」
「まあね。全部、呪いとか魔除けの品物ばっかだから」
「"黒の魔法"の得意分野ね。クリスタルは黒の魔法の成績よかったから」
「小遣い稼ぎになるのよ、けっこう。キーラも黒の魔法を専攻しとけばよかったのに」
「あーダメダメ。あたし、呪い系な黒の魔法って何か暗いから合わないのよねー。なんかブードゥー系? 陰湿でネチネチしてて油っぽくてコレステロール高すぎってゆーか……うっ!」
 気がつくと隣でクリスタルが呪いグッズをいじりながら何か小声で言っている。
「どうせ、黒い魔法の得意な女の子なんて可愛くないもん……ぶつぶつ」
「い、いや、ほら! 私って不器用でしょ? だから複雑でむっずかしーな呪い系な黒の魔法って無理かなーって……もう少し簡単な医療系"白の魔法"や自然派な"青の魔法"の方が合ってるって感じ? でもスピリチュアルな緑の魔法は難しすぎるから……」
「いいよ、いいよ、無理しなくって。ってゆーか、どうせブードゥー系だしぃ……。"人を呪わば穴二つ"。昔の人はいい事言うわ、やっぱ」
「クリス! ほっんと! ごみん!」
 クリスタルの背中にしがみつくキーラ。
「いっつも余計な事ばっか言ってるおバカな私を許して! だから呪わないで~っ……ん?」
 キーラは目前の壁に掛かる毛皮のコートに目がとまった。
「いやーん♪ カワイ過ぎ~!」
 コートを手に取ろうとしたキーラの手首をクリスタルが、ガシッと掴んだ。
「だめよ!」
 真剣なクリスタルの顔にちょっと引くキーラ。
「キーラ、これは呪いの毛皮なんだから迂闊に手にとってはだめよ」
「これが? こんなにカワイイのに~♪」
 クリスタルは首を振った。
「見かけに騙されちゃだめ。結構、傑作なんだから、これ」
「どうなるの?」
「これを着るとね……」
 クリスタルが言いかけたその時、外で叫び声が聞こえた。
 顔を見合わせるキーラとクリスタル。
 さらに叫び声が聞こえる。
「何かしら」
「最近、多いのよね。おかしな騒ぎ……あ? キーラ」
 気になって外に飛び出したキーラは声のする方を見やった。クリスタルがドアから顔を出してキーラを呼ぶ。
「ほっときなさいよ! キーラ。私たちには関係ないんだから」
「でもさぁ……」
 また、怒鳴り声と悲鳴が聞こえた。キーラは我慢できず、声の方に走った。
「もう……相変わらずねぇ、あのコは」
 クリスタルは呆れ顔でキーラを見送った。


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