FC2ブログ

 

真夜中の占い館で散歩
オリジナル小説の公開です
http://delta66.blog3.fc2.com/

 

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
 

案山子の庭③

 
「あなたが新しいメイドですって?」


 そう言って老夫人がスカーハを品定めする様な目で眺めた。
 屋敷に着いたスカーハがまず会ったのはミセス・ストライカーだった。彼女はハウスキーパー。ハウスキーパーとは使用人たちを取り仕切る役割を負う。権限は主人の次にあるポジションだった。
 ミセス・ストライカーはいかにも厳しそうで典型的なハウスキーパーといった感じだ。 スカーハは緊張な面持ちでストライカーの前にいた。
「はい!! ミセス・ストライカー 」
 スカーハはバッグを探るとライセンスを取り出して読み上げた。
「欧州家事手伝い派遣協会E.H.S(Europe HouseHelpers Servant)所属、会員ナンバー478976……ちがった775541A スカーハ・ライルと申します!」
「少し長いわね」
「欧州家事手伝い派遣協会E.H.S(Europe HouseHelpers Servant)ですか? これでも歴史も古く信頼もある団体なんですよ」
「なるほど、権威あるものほど名称が長くなるものですからね。にしても長い……」
「はい、欧州家事てつ……」
「ミス・スカーハ、それはもういいですから」
「は、はい! ミセス・ストライカー!」
「とにかく、まずは旦那さまに会ってもらいましょう」
「はい!」
「旦那さまは、あそこにいるから挨拶してらっしゃい」
「はい……ってあそこって?」
「あの庭です」
 マダム・ストライカーが庭を指差した。
「庭……ですか?」
 庭は雑草が生えまくり荒れ放題だった。
 もはや雑草というより草むら……いや、森といった感じだが、その中で何か何かが動いてるのが見える。
「あ、いたわ、ご主人様よ。ご主人さまーっ! 今から新しいメイドがそちらに参りまーす」
 満面の笑みで森……いや、庭に向かって手を振るミセス・ストライカー。
「あの、ご主人さま、なんであんなところに?」
「庭いじりはご主人さまのご趣味なのです」
「……の割には随分、荒れているように見えますけど」
「美的感覚は人それぞれ。それより私たちが手を出すと怒りだすくらいですからあなたも気をつけるように」
「なるほど。注意します!」
「では、いってらっしゃい」
「はい?」
「いや、だから旦那さまのところへ行ってらっしゃいな」
「あのぉ……ミセス・ストライカーが私を旦那様に私を紹介していただけるのでは?」
「それは、あなた一人で行きなさい」
「はあ」
「私は危険な場所には行きたくな……いえ、他に用事がありますから旦那さまのところにはあなた一人で挨拶に行ってらっしゃい」
「はい? 今、気になる事、言ってません?」
「い、言ってません! 空耳でしょう。危険なんて言ってません」
「危険? 今、危険って言いましたよね?」
 問い詰めるスカーハにミセス・ストライカーは、目を合わせなかった。
「ああ、そうだ! 私は急ぎの用事があるんだったわ。じゃあ、ミス・スカーハ、気をつけて」
 そう言ってミセス・ストライカーは行ってしまった。
 ひとり取り残されるスカーハは庭を見た。
 そこには何かがいる。

 何かが……

スポンサーサイト
 
 
 
Comment

Comment Form


秘密にする

Trackback

 

 

*Template By-MoMo.ka* Copyright © 2018 真夜中の占い館で散歩, all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。