真夜中の占い館で散歩
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ギャリー・トロット⑤(改)


 7月4日PM9:15  廃墟らしき場所

 建物の窓から外を眺めていた麻季は小さな光が動いているのを見つけていた。
 少し前に爆発の様な大きな光があった場所から少し離れた場所だ。 
 誰かいるんだ……
 麻季は少しほっとした。この孤独な世界に誰か他の人間もいるのだ。そしてあの光の場所にいけば助けてもらえるかもしれない。
 麻季は光が消える前にそこに向いたいと思い、再び壁を伝い始めた。やがて出入り口らしき箇所を見つけ出しなんとか廊下らしき場所に出た。だが廊下は左右に分かれていてしかも先は見えない。
「迷ったら左ね」
 左に進む事を決めた麻季は携帯電話のディスプレイの光でを足元を照らしながら歩き始めた。
 窓から見える地面は遠かった。建物は、2階建てか3階だてに違いない。廊下の先は恐らく階段があるはずだ。突きあたってしまったら仕方がないけど戻ればいい。今は、止まらないでとにかく前を進むことが最善なのだ。
 麻季はそう自分に言い聞かせて歩き続けた。
 しばらく歩くと突然、何かの気配を感じる。麻季は足を止めた。気配は背後からだ。麻季はゆっくりと後ろを振り向く。闇の中に何かがいる。麻季は携帯電話を掲げた。僅かな光が何かを反射させた。それは二つの眼だった。
 驚きで思わず声を出してしまう。
 それを合図にしたかのように闇の中から唸り声が聞こえてきた。そしてそれは次第に近付いてくる。
「まじですか……」
 麻季は思わず危険を感じ、後ずさりした。唸り声はさらに大きくなる。慌てた麻季が逃げようとしたが最悪な事に足元に転がっていた何かに躓いてしまう。
「きゃ”」
 転んだ拍子に打ってしまった腰と肘の痛みと怖さで思わず泣きたくなる。
 誰か助けて!
 しかし、そんな心の声など関係なく暗闇の中の"何か"は近づいてくる。危険を感じた麻季は痛みを我慢して立ち上がって逃げ出した。その素早さは自分でも驚くくらいだ。闇の中の"何か"はそのまま追いかけてくるのが分かった。僅かな光を頼りに麻季は闇の中を必死で走った。廊下の先に月明かり反射した瓦礫が見えた。出口だ!
 そう思った麻季は残った力の全部を出し切って出口に向って走った。そしてなんとかたどり着き外へ飛び出す。
 だが整った廊下と違い外の足場は悪い。麻季は再び転んだ。恐ろしい"何か"も麻季を追って飛び出してきた。
 淡い光に照らされて追っ手の正体が見える。
 狼男?
 麻季は一瞬そう思った。だが黒い体毛の間から骨がむき出しになった様な部分が見えた。頭部も頭蓋骨そのものだ。こんな生物は見た事がない! その目は怒りに燃えたように赤い目。口からは長く鋭い牙が生えている。
 もう、だめだと思った瞬間。それは現れた。
「Duck!(伏せろ!)」
 大声と共に闇の中で眩い閃光と耳触りな音が響き渡った!
 断続的な閃光にライフル銃を構えた人が照らされる。周囲に火薬の臭いが漂ってきた。
 鉄砲で撃ってる? マジで?
 麻季を追ってきた怪物は断末魔の声を上げながら倒れた。
 周囲が騒がしくなってきた。早口な外国の言葉が聞こえてくる。
「You be alright?(大丈夫か?)」
 倒れた麻季を覗きこんだのは黒髪の若い男だった。
 その手には本物のライフル銃が握られていた。
 
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