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真夜中の占い館で散歩
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ギャリー・トロット②(改)

 7月4日 同時刻
 カナダ・デヴォン島実験施設
 通称"ナイト・ドア"


 潜水艇の内部に似たカプセルの中に重武装した戦闘員たちが入り込んでいた。
 その大柄な男たちに中に一人だけ小柄な隊員がいた。まるで巨人に守られた可憐な姫だ。
 似たような服装ではあったがアサルトライフルと多数の弾薬を装備した隊員とは違い彼女が抱えていたのはコンパクトなノートパソコンだけだった。
「ベルトを締めてくれ」
 扉で機器類のチェックをしていたスタッフはそう隊員たちに呼びかけると隊員たちはシートに座りベルトをし始める。
「揺れるんですかね? 博士」
 隊員のひとりが隣に座った小柄な女性に声をかけた。女性は顔を上げるとにっこりと笑った。
「少しはね。でも大した事ないわよ」
「大した事ないんなら、なんでシートベルトを?」
「単に安全手順のひとつよ」
「何か危険だからシートベルトをするって事じゃないですか?」
 喰い下がる隊員に正面に座る仲間が鼻で笑う。
「おい、ラッシュ。お前びびってんのか?」
 正面に座る隊員は装備していた特別製のナイフを点検しながら言った。チタンとカーボンファイバーを張り合わせてあるタイタニアム製ナイフでアーマーベストをも貫く鋭いナイフだ。
「そんなんじゃねえ。ただシートベルトってのは安全を……」
「わかったよ、ビビり屋め」
「うるせえ! リーパー」
 ラッシュはそう言うと不満げにシートベルトを締め直した。
「俺は思慮深いだけなんだ」
 納得がいかないラッシュはそうぼそっと言った。
 隣の座る博士の口元が笑っていた。


「よう、彼女いい感じだよな」
 スナイパーライフルを横に置いたアフリカ系の隊員が隣に座る隊員にそう声をかけた。
 声をかけられた隊員は装備しているG36Kライフルの点検を中断して顔を上げた。
「ああいうのが好みか? アーチャー」
「インテリで美人。最高だぜ。まさにおれのストライクゾーン」
 黒髪のエージェントは、ちらりと博士の方を見る。
「俺は興味ない」
 そう言いわれたアーチャーは大げさに驚いた仕草をする。
「おい、トルート? お前まさかホモか?」
「好みじゃないとそうなるのかよ」
「まあ、そうだがよ」
 アーチャーは博士に向かってライフルを構えるフリをしてみせた。
「彼女は、俺が落としてみせるぜ」
「呑気だよ、お前は」
 トルートは呆れてそう言うと再び自分のG36Kライフルの作動点検を始めた。
  
 エージェントたちが全員、席に収まった頃合いに指揮官から声がかかる。
「よーし、準備は整ったか」
 指揮官が声をかけると部下たちは個々に返事を返す。指揮官はそれを確認すると備え付けられた内線電話の受話器を手にとった。
「こちらユニット、準備はいいぞ」
 指揮官のスヴァローグがぶっきらぼうに言う。
『了解、ユニット。カウントに入るまで待機してくれ』
 そう返事が来た直後、計器類が点滅を開始した。

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