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真夜中の占い館で散歩
オリジナル小説の公開です
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悪魔は涙と取引する④

 Ⅳ

 フォボスは必死に逃げた。
 しかし、おれは路地の途中で先回りしてやった。
 フォボスが屋台の中を抜けて曲がり角を曲がった時だ。俺は奴の目の前に現れてやった。
「うそだろ?」
 俺は驚く小悪魔の胸倉を掴んだ。
「なぜ逃げる?」
「何故って……ボスの使いかと思って」
「ボス?」
「バールだよ。大魔王バール。違うのかい?」
 バールはこの辺を仕切る大悪魔だ。
「違うよ。俺はバールの手下じゃない」
「そうなのか?」
 安心したのかフォボスの体の力が少し抜けた。俺は手を奴の胸倉から放した。
「焦ったぜ。で、何の用だ?」
「お前が逃げ出したから追っただけだ」
「ああ、誤解させて悪かったな。俺はてっきりバールのところの者だと思ったんだ。誤解なわけだから俺はこれで失礼す……」
 言葉の終わる前に俺はフォアボスの肩を壁に押し付けた。
「いやいや、聞きたい事はあるにはある。ふけるのはそいつを話してからにしてもらおうか」
「な、なんだよ?」
「エウロパは知ってるだろ?」
 その名前を聞いた小悪魔の顔が一瞬変わるのを俺は見逃さなかった。
「ああ……まあ」
「今どこにいるんだ? 友達なら知ってるだろ?」
「居場所は俺も知らねえ。こっちも探してるんだ。それに奴とは特に親しいわけじゃねえ。単なる取引相手だよ」
「取引? なんの?」
「弾だよ。"聖弾"」
「神父に祈らせてたってやつか? 悪魔を殺せるっていう」
「ああ、エウロパたちが神父を言いくるめて祈らせたやつだ。これは奴の思いつきなんだ」
「いいアイデアだが、お前、そいつを使って魔王バールを殺す気か?」
「おいおい、無茶を言うなよ。俺みたいな小悪魔がたとえ聖弾を使ってもバールは殺せるわけがねえ」
 小悪魔は必死に言った。
「バールが高く買い取ってくれるんだよ。今、バールは他のナワバリの悪魔と戦争しようとしてる。その準備をしてるのさ。手に入るだけ買いあさってるからこっちの言い値も通しやすい。上客だ」
「お前、バールから逃げてるんじゃないのかよ」
「あ……まあ、実は品物をまだ納めきってねえのさ。前金ももらっちまってるし、それで品物を渡さないんじゃ、金を返すだけじゃ済まないんだよ。相手は大悪魔だぜ? 消されちまう」
「それで聖弾を持ってるエウロパを探してるってわけか」
「そうだよ。なあ、アンタ。奴を見つけたら俺にも教えてくれねえかな? いくらか渡すぜ」
 俺はフォボスという小悪魔を壁から放した。
「エウロパの行きそうな場所をいくつか教えてもいいが……」
 フォボスは首をさすりながらそう言った。


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