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真夜中の占い館で散歩
オリジナル小説の公開です
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真夜中の占い館で散歩⑦

7、終わりよければ

 数日後、啓太といずみはゲームセンターに来ていた。
 占い館"紗璃"のテントの幕を上げると中に入った。
「いらっしゃい……あん? なんだ、少年たちか」
 啓太といずみは手をつなぎながらテーブルの前に立つ。
 ああ、進展したんだぁ……と思いながら二人の様子を窺う紗璃。
「この間は本当にありがとうございました」
 膝におでこがくっつくくらいに頭を下げる啓太といずみ。
「ええ? いいって、いいって。なんか照れくさいからよしてよ」
 紗璃は、鼻の頭を掻く。
「それより上手くいってんの? ふたりは」
「え? まあ……えへへ」
 啓太といずみは顔を見合すとにこりと笑いあった。
 その様子を見て紗璃は肩をすくめる。
「死神だったらもう大丈夫よ。少年たちが二人で新しい別の未来のルートを作ったの。死の運命が消えた今、もう死神が現れる事はないよ」
 そう言って紗璃は握り合う啓太といずみの手を指差した。顔を赤くしながら慌てて手を離すふたりに紗璃が笑う。
「ということで、これで私も心置きなく次の街に行けるってものね」
「え? 紗璃さん、行っちゃうんですか?」
 驚く、啓太といずみ。
「私もまだ占ってもらいたい事があったのに」
 いずみと啓太は残念そうな顔で紗璃を見た。
「うん、他の街の遊園地の中で占い小屋開けることになったのね。人も多いから、ここより稼げそう」
 そう言って紗璃は、にやりとする。
「あの……」
「ん?」
「ありがとうございました。今日は俺ら、お礼に来たんです。これもらってください」
「二人で紗璃さんの喜びそうな物って考えたんです」
 そう言って啓太といずみは、二人でひとつの紙袋を差し出した。
「きゃー! プレゼント! いや、そんな気をつかわなくたっていいのにぃ……でも、あらそう? いや、悪いわね」
 紗璃は、にやけながら袋を受け取った。
「じゃあ、紗璃さん。お元気で」
「うん、少年たちもね」
 啓太といずみは仲が良くテントから出て行った。
「もう、見せつけちゃってぇ……さてさて、あの子らの贈り物は?」
 紗璃は袋の中身を覗きこむ。
「あっ……」
 中は何種類かのカップ麺が入っていた。
「別に好きだってワケじゃないっつーの! たまたま食べてただけだって!」
 紗璃はテーブルの上に袋を放り投げるとため息をついた。
「あーあ、プレゼントがカップ麺なんて」
 ひとり、文句を言う紗璃だったが、その顔には笑みが浮かんでいた。

「ふふ、だから子供ってやつは……」




『真夜中の占い館で散歩』 おわり
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